『した振り仕事』繁盛記
かねてより私は日本のキャリア官僚に対する不信感を抱いていたのであるが、雑誌『諸君!』4月号の養老孟司氏の論文『食料自給率改善に秘策あり 農水官僚を即刻、農村に”下放”せよ』を読んでいて、キャリア連中のやっている仕事の本質は「形だけやった振りをするだけの”した振り仕事”」なのではないかと気が付いたのである。私は数年前に停年退職し年金生活をしているおかげでNHK・BSが日中放送する『国会中継』を見ることができる。働いていたときは『国会中継』を放送していることすら知らなかった。これは非常に面白い番組で、面白いというのは国会議員の質がよく分かるのである。例えば社民党の党首・福島瑞穂氏の麻生首相への質問などを見ていると、まるで「自分の意見は絶対に正しいのだから、麻生首相は当然、それを受け容れるべきである」という話しぶりで、まるで駄々っ子がする意見の押し付けを見ているようである。福島党首は弁護士であるそうだが、私はこうした幼稚な質問しかできないような人間には到底訴訟を依頼する気にはなれない。さらに民主党の議員の質問によく見られるのは、単なる揚げ足取りとしか考えられない内容の質問であり、またしても質問者の知的レベルを疑わざるを得ないような下らない質問なのである。
もし多くの国民がこうした議員の具体的な行動を見ていたら、きっと次回からそのような程度の低い議員への投票は行なわないだろうと思われるのである。しかし質問している当の議員は、自分が質問している姿がTVに映っていること自体が誇らしいものであると考えているようであり、質問内容を有権者がどのように評価するだろうかとなどとは全くは考えが及ばないようである。ということはやはりそうした議員というのは、私に言わせると初めから情けないレベルの人間なのである。
こうした知的レベルの低い議員たちが、どうしてキャリア官僚たちに対抗できるであろうか。キャリア連中は、知的なレベルについては厳しい試験を通過してきているのである。既に何回か書いたが、国会議員は、どれほど知的なレベルが低くても(露骨に言うとどんなに馬鹿であっても)、選挙に受かりさえすればなれるのであるから、普通に考えれば国会議員たちの平均的な知的なレベルはキャリア官僚たちの平均的な知的レベルには到底及ばないはずである。ましてや最近は2世議員だ、3世議員だといって、その議員適性などは厳しくチェックされないままに安易に国会議員になる者が増えているという恐ろしい事態が生じているのである。これも露骨に言うと、世間知らずのプータロウが国会議員になっているのである。
『国会中継』に話を戻すが、議員の質門に対して各省庁の次官などが応える場面がある。その時私が見ていて、なんでこんな人物が次官なのかと思うような人が出てきて答えていることがある。外見だけで判断してはいけないと言われるかも知れないが、しかし人物というのはある程度は外見に現れるものであると私は思う。したがって私はキャリア官僚について深い疑いを抱かざるを得ないのである。
過去に社会保険庁の長官をした人物を私は全く知らないが、あれだけデタラメな仕事をしていた組織はおそらく”ヤミ専従”などが日常的に跋扈しており、長官だったキャリア連中は「臭いものに蓋」で「見て見ぬ振り」をしていたに違いないと私は睨んでいる。キャリア連中の仕事に対する姿勢は、基本的には「見かけの上で形だけは仕事をした振りをして真面目に仕事はしないし、難しいことはやり過ごす」というもの、すなわち『した振り仕事』こそが彼らの仕事の本質なのではないだろうか。最近農林水産省で”ヤミ専従”が大勢いると疑われて、その調査を担当した課長が実態を隠すために、実際に上がってきた調査資料を隠してデタラメな資料作成をして新聞社に渡すという驚くべき事件が発覚し、課長職を更迭されたが、これなどは私の言う『した振り仕事』などを遙かに上回る正にウルトラCの仕事ぶりであった。キャリア官僚の仕事のデタラメ振りはついにここまで進化したのである。最近何かと不祥事続きの農林水産省という組織を防衛するための行動であったと報道されているが、キャリア官僚という連中がここまでやるとなると、国民はもはやキャリア官僚たちを全く信用することなどできない。
他方で民主党党首の小沢一郎議員の西松建設からの巨額献金事件に関する意見を聞く議員総会において、ほとんどの議員が意見も言わずに鳩山幹事長は小沢氏擁護の立場を支持しているが、国民の目からすると、億を超える多額の献金という事実があってなお問題はないというような民主党の議員の感覚は異常というしかない。また自民党の二階俊博・経済産業相も、献金額の規模は小さいといいながら西松建設から事務所賃借料相当額を個人献金に偽装して受取っていたのだから、自民党が小沢議員を批判するのは、昔の言葉で言うと「目くそが鼻くそを笑う」のと一緒なのである。こうした体たらくの国会議員がキャリア官僚連中を果たしてキチンと使えるものだろうか、大いに疑問だといわざるを得ない。怪しい国会議員たちを横目で見てほくそ笑みながら、キャリア官僚連中は『した振り仕事』でいい給料を貰い、年金もたっぷり、退職金もたっぷり、その上天下りでは、これこそ本当に『した振り仕事』繁盛記である。
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