マスメディアに現れた中国の嘘
中国のマスメディアはすべて、中国政府の検閲の下にあると、中国人の何清漣女史は著書『中国の嘘 恐るべきメディア・コントロールに実態』(扶桑社)で書いている。最近このことを証明する良い例が、日本経済新聞に出ていたので紹介する。
2008/11/6の日本経済新聞朝刊に、「厚労相発言趣旨『改変』に苦笑 中国のテレビ記者会見」という記事が出ていた。少し長いが全文を以下に引用する。
「中国のテレビ局のインタビューで『食の安全』について語ったら、編集で発言の趣旨が『中国の食品企業の市場チャンス』にすり替わった------。舛添要一厚生労働相が五日の記者会見で、苦笑しながらこう語った。
厚労相は一日、日本、中国、韓国の保健担当閣僚の会合に席するため北京を訪問。その際に中国中央電視台(CCTV)のインタビューに応じ『中国の食品は非常に安い。ただギョーザ事件でイメージが悪くなっている。食の安全の確保に向けて日中間で協力しよう』と述べた。
ところが厚労相が取り寄せた放映予定の内容は『金融危機は日本の消費者に財布のひもをしめさせ、中国の食品輸出企業に市場拡大のチャンスをもたらしている』。厚労相の発言はこの文脈で使われており、抗議はせず苦言を呈したという。」
この嘘は内容からすると可愛いものであるが、中国共産党政府の体質を良く表している。何清漣女史によると、「(中国)当局はとにかくマイナス報道を毛嫌いしている。マイナスニュースを報道するジャーナリストに対しては、いつも解雇という形で対応する。」(P103)のだそうである。中国には『中央宣伝部』というものがあるとのことだが、西欧の各国政府には見られない部署である。さらに『国家安全局』というものもあり、「国家安全局の特務系統がインターネットを公然と監督管理するとともに、国家安全部門が『国家の安全に危害を加える』言論を流布したと認定した人物を随時、逮捕するようになった。・・・・・インターネット導入後、・・・・・世界最大の『ファイアウォール』の構築に始まり、公民の行動を全面的に監視することが目的の『金盾プロジェクト』に巨額を投じている現在まで・・・・・・。少なくとも中国政府がこれほどまでにメディアの統制に気を使っている理由に気が付いている人はまだいない。それは本当の中国には隠さなければならない暗黒面があまりにも多いからだ。」(P74〜75)
「中国のメディアとは中共政府が掌握しコントロールしているプロパガンダ・マシーン(宣伝機関)であり、・・・・安泰を虚飾することが報道メディアの主な職責と見なされ、事実が何であるかは二の次・・・」(P11)
ところで台湾の作家柏楊氏が書いた『醜い中国人』(光文社カッパブックス)に林彪が言ったという言葉が引用されている。
「林彪はかつてこうに言ったことがある。
『嘘をつかなければ、偉大な事業をなし遂げることはできない』」(P74)
中国共産党政権は偉大な存在であり、社会主義国家建設という偉大な事業を行なっているのだから、嘘をつくのは当然だという考え方なのだ。
また柏楊氏は次のようにも書いている
「不真面目と無責任は、必然的に文字の魔術を生み出す。中国の歴史文献のなかでは、真理は重んじられない。中国の歴史文献は、中国の伝統文化と同じように、事実をねじ曲げている。」(P139)
中国共産党政権の「嘘をついては当然」という考え方は、まさに中国の歴史・伝統に忠実に沿ったものなのだ。
だから舛添厚労相の発言を、本人が考えた趣旨とは全く異なる文脈で使うのなどは、まだまだ中国政府の嘘のつき方としては序の口といって差し支えないものなのである。
何清漣女史によると「中国のように民度が低く」(P13)しかも「金銭の追求が人々の生活の主要な目標になりつつある。」(P74)のだから、食品製造企業で牛乳など食品へのメラミン混入事件が多発しているのも当たり前なのであり、中国政府の愚民政策の行き着いた先がこの食品偽装なのだ。
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