食品業界の経営者の質の悪さと中国の民度
私は食品業界に20年以上勤務して停年退職したが、食の安全性がことさらに問題となるようになったのはイトーヨーカ堂が販売した中国から輸入されたほうれん草に農薬が基準を超えて残留していたことが判明して問題になってからではなかったかと思う。私が在職していた会社もヨーカ堂に製品を納入していたから、その時は大変であった。それまでは聞いたこともなかったトレサビリティという言葉を初めて聞かされて、ヨーカ堂の食品関係のすべての取引先にはトレサビリティのシステムを整備するように求められたのである。これはコンピュータに仕入れデータの入力から製品の原料使用明細までをキチンと登録しておかないと対処できないから、小企業ではなかなか対応が困難であろう。そしてその時に私が思ったのは、これからはキチンと品質管理ができない食品会社は存続することが難しいだろうということであった。ましてや品質に関して誤魔化しを行なったりしたら、企業の存続は直ちに不可能になるだろうとも思った。
今回の三笠フーズの問題についての報道を見てきて、そこの社長が儲けるためにやったと警察の取調べに対して供述しているが、私が思ったようなことはこの社長には全く思いも及ばなかったようだ。北海道のミートホープも倒産したし、地鶏と偽って販売したり、中国からの輸入ウナギを国産と偽って販売した会社も恐らく取引先を失って事業の継続はできなくなっていることであろう。食品の品質を偽っていることが一度バレたら、日本では食品関連企業は存続ができなくなるのだ。一時的に儲けることと、事業を継続的に存続させることとどちらが重要かの判断もできないほど経営者のレベルが低いのだ。
ところで中国で現在問題になっている乳製品へのメラニン混入は日本で行なわれている食品偽装とはレベルの違う悪質さだ。メラニンが人間の健康にとって非常に有害であることは広く知られていることであるのに、それを平気で原料に混ぜて使っていたのである。酪農家は生乳に混ぜてたんぱく質が豊富であるように見せかけていたという。乳児の死亡や健康被害を引き起こした粉ミルクを作っていたのは中小企業などではなかったというところに中国企業の経営者の質の悪さが現れている。いずれはバレることが当然予想されるのに経営者はそんなことなど考えもせずに、ただただ目先利益が上がれば良いと考えていたのである。その結果は、中国でつくられた乳製品を使用している食品の全世界的な輸入禁止措置であった。中国製品では、玩具への鉛の使用をはじめとして、健康に対する配慮のなさがすでに前から問題になっていたが、今度は食品という直接的に口に入るものが問題を引き起こした。恐らく乳製品以外でも厳重な品質チェックを輸出前に中国国内で行なうようにしないと、中国産の食品の輸出はできなくなってくるだろう。
中国国内では農村部と都市部の所得格差の大きさが大きな国内問題になっているが、今回の問題は中国農民の農産品への需要が減少して経済的な困難を引き起こすことにも成るのではないだろうか。グローバリズムの中で発展してきた中国経済ではあるが、中国人の常識は国際常識から見て大いにレベルが低いことが今回のメラミン混入問題で世界の人たちの目に明らかとなった。このことの中国経済に及ぼす影響は大きいだろう。ボディブローのように効いてくるのではないか。大国を自負する中国の民度は全体的に見る限りどうやらまだまだひどく低いようである。
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コメント
■汚染米転売問題、三笠フーズ本社などを一斉捜索―流通経路などを明確にしてこれからの消費者行政への礎にすべき!
こんにちは。いよいよ一斉捜索が始まりました。私はこの事件不幸な出来事だったとは思いますが、これを機によく言われるように膿を流す程度のことに終わらせずに、完全に消費者行政のシステムを根本的に改めるべきだと思います。消費者行政にかかわる独立行政法人(倉庫の管理人しかしていない役人OBが膨大な報酬をもらったりしている)などは全廃し、かわってNPOに大きな役割を担わせるべきだと思います。いずれにせよ、しっかり捜査をして、責任の所在も明確にし、新たな消費者行政への礎にしていたたぎたいです。詳細は是非私ブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2008年9月27日 (土) 14時37分